2021年カンヌ国際映画祭ラインナップ(前編)

今年のコンペティション部門ラインナップを紹介していきます。
『Annette』レオス・カラックス監督(フランス)
『ポンヌフの恋人』『ホーリー・モーターズ』などで知られる寡作の映画作家レオス・カラックスが手掛けるのはなんとミュージカル。オープニング作品でもあります。カンヌ映画祭では『ポーラⅩ』『ホーリー・モーターズ』に続き三度目のコンペ出品作、パルム・ドールをそろそろ獲得してもいい頃ですね。
『A FELESÉGEM TÖRTÉNETE』インディコ・エニェディ監督(ハンガリー)
『心と体と』でベルリン映画祭金熊賞を獲得、アカデミー賞にもノミネートされた女性監督インディコ・エニェディの新作です。カンヌでは『私の20世紀』がゴールデン・カメラ賞を獲得していますがコンペは初です。
『BENEDETTA』ポール・ヴァーホーヴェン監督(オランダ)
『氷の微笑』『ELLE エル』で知られるヴァーホーヴェン新作です!カンヌでは前述した2作でコンペ入りを果たしており、2016年以来のカムバックです。修道女同士の愛を描いた作品ということでとても楽しみです。
『BERGMAN ISLAND』ミア・ハンセン・ラヴ監督(フランス)
『未来よこんにちは』などの女性監督ミア・ハンセン・ラヴの新作です。『あの夏の子供たち』である視点部門に出品されたことはありますが、コンペ部門は初めてとなります。主演は『クリムゾン・ピーク』などのミア・ワシコウスカということで個人的にはそれだけで眼福です。
『ドライブ・マイ・カー』濱口竜介監督(日本)
『寝ても覚めても』でカンヌのコンペに出品、賞こそ受賞しなかったものの大いに話題になった濱口竜介監督の新作です。村上春樹の短編作品の映画化です。個人的には『寝ても覚めても』は好きではないので思い入れはないですがとりあえず日本から入ってくれて一安心です。二回目のコンペということで十分賞を狙うことはできそうです。
『FLAG DAY』ショーン・ペン監督(アメリカ)
きました!オスカー俳優ショーン・ペンの監督最新作がコンペ入りです。『プレッジ』『ラスト・フェイス』と既に二度コンペに入っており、出来栄えによっては賞も狙えるのではないでしょうか。自身が主演も兼ねるということで男優賞が有力かもしれませんね。
『HA'BERECH』ナダヴ・ラピド監督(イスラエル)
『シノニムズ』でベルリン映画祭金熊賞を獲得したイスラエルの新星の新作です。カンヌでは短編への出品経験はありますがコンペ部門へは初出品となります。
『CASABLANCA BEATS』ナビル・アユチ監督(モロッコ)
こちらは日本では未紹介の監督ですね。ある視点部門に『Les chevaux de Dieu』、監督週間に『Much Loved』が出品されていますがコンペには初出品です。プロデューサーとしてはテレビを多く手掛けている方のようで新人というわけではなさそうです。とはいえ選出されたからには期待してしまいます。
『HYTTI NRO 6』ユホ・クオスマネン監督(フィンランド)
これも誰?と思ったのですが『オリ・マキの人生で最も幸せな日』の監督ですね!本作はカンヌのある視点部門で深田晃司監督作品『淵に立つ』をおさえてグランプリを獲得した作品です。そこまで好きな作品ではないですが静かで情感のこもった独特な作風の監督です。
『THE WORST PERSON IN THE WORLD』ヨアヒム・トリアー監督(ノルウェイ)
御存じラース・フォン・トリアーの息子、ヨアヒム・トリアーの新作です。これまでカンヌでは『オスロ、8月31日』ではある視点、そして『母の残像』ではコンペに出品されました。
『LA FRACTURE』カトリーヌ・コルシニ監督(フランス)
『彼女たちの時間』でコンペに出品、『黒いスーツを着た男』ではある視点部門に出品されました。久しぶりの新作となる本作がコンペに入ったということは期待させますね。
