2021年カンヌ国際映画祭結果
👑パルム・ドール
『Titane』ジュリア・デュクルノー監督
『RAW 少女のめざめ』で一大センセーションを巻き起こしたジュリア・デュクルノー監督が長編二作目にして最高賞受賞!そしてパルム・ドールを女性が受賞するのは『ピアノ・レッスン』以来二人目という快挙です。頭蓋骨にチタンを埋め込まれ、性指向が「車」に向いた"特異"な女性が主人公ということで期待が膨らみます。
★グランプリ
『A Hero』アスガー・ファルハディ監督
イランの名匠ファルハディが流石の安定感でグランプリを獲得。アカデミー賞では外国語映画賞以外でも脚本賞などの候補に挙がるのではないかとの声があります。
『Compartment №6』ユホ・クオスマネン監督
『オリ・マキの人生で最も幸せな日』である視点部門グランプリをとったフィンランドの監督がファルハディと並んでグランプリ。原作のある作品のようで、ソニーピクチャーズ・クラシックが配給権を獲得したとのことで外国語映画賞に絡んでくるのか非常に楽しみなあたりです。
☆審査員賞
『Ahed's Knee』ナダヴ・ラピド監督
『シノニムズ』で金熊賞をとったばかりの新星ナダヴ・ラピド監督の新作が審査員賞に入りました。前作も日本では紹介されておらず日本公開は難しいのかなとも思いますが、ここで賞を獲ったことでなんとか日本でもお願いします!
『Memoria』アピチャッポン・ウィーラセタクン監督
タイの巨匠がティルダ様主演で撮った新作、これは賞を獲ったことでますます期待値が上がりますね!大体アジア圏の監督が欧米で撮ると失敗する中、成功しているというのは素晴らしいことだと思います。当然アカデミー賞には絡まないでしょうけど東京国際映画祭かフィルメックスでやってくれるといいな~
◎監督賞
『Annette』レオス・カラックス監督
マリオン・コティヤール×アダム・ドライバーのミュージカル作品、レオス・カラックス御大の面目躍如的な受賞ですね!アメリカではAmazonが配給権を獲得し、配信リリースとなる模様です。それも含めてアカデミー賞に向けてどのようなプロモーションをしてくるのか楽しみですね。撮影賞、作曲賞などは期待ができるのではないでしょうか。もしかすると監督賞も…!?
□脚本賞
『ドライブ・マイ・カー』濱口竜介監督
前評判の高かった本作は脚本賞におさまりました。しかし独立系の賞を他に三つ受賞し四冠という快挙を達成しました。これはもうすぐ、8月20日より公開されますが、国内での評価はもちろんのこと、アカデミー賞日本代表に選ばれるのかどうかという点でも興味深いですね。
〇女優賞
『The Worst Person in the World』ヨアヒム・トリアー監督
息子トリアーの主演女優が女優賞を獲得しました。実は受賞経験がなかった息子トリアーがはじめて賞に絡んできました。これから父を超える存在感になっていくのでしょうか。
△男優賞
『Nitram』ジャスティン・カーゼル監督
オーストラリアの監督の新作スリラーの主演男優が受賞です。これは見てみないと分かりませんね。予告編をみるとなんとなく不思議な、でも美しいような面白そうな雰囲気です。どのような演技で獲ったのか非常に楽しみですね。
と主要賞はこのくらいですね。
前評判が高かったにも関わらず賞に絡んでこなかったのはまずはウェス・アンダーソン監督『フレンチ・ディスパッチ』でしょう。ウェス・アンダーソン監督は脚本賞で評価されるかと思っていたので何も取らなかったのは意外です。またポール・ヴァーホーヴェン監督の『Benedetta』、ミア・ハンセン=ラブ監督の『Bergman Island』、ショーン・ベイカー監督の『Red Rocket』あたりが賞から漏れて意外なあたりでしょうか。
かたや大酷評だったのがショーン・ペン監督の『Flag Day』、カンヌ入りしたことでアカデミー賞でも?と期待させましたが批評家からは大酷評されました。
賛否両論あった『Titane』が最高賞を獲った今年のカンヌは全体的にぬるい感じはありますが、東京国際映画祭、フィルメックスでどれくらい見られるかとても楽しみです。
アカデミー賞戦線はまだまだ読めません!ヴェネツィア映画祭に期待ですね!
それでは、読んでいただきありがとうございました!